緑々した樹木の真ん中に、小豆色、薄紫色の小さな花が固まって咲いています。
よく見ないと、花が咲いているのが、気づかないかもしれません。
早速調べて見ると、栴檀(センダン)という樹木の花でした。
樹皮は生薬の苦楝皮(くれんぴ)として、樹木は、家具として、葉は除虫効果があり、果実は苦楝子(くれんし)しとて、使われているようです。
もう少し、調べて見ると、栴檀の古名は、アフチと言われていました。
アフチは、『淡い藤』からきているようです。
樗色(おうち(=アフチ)いろ)と言う、色があります。
栴檀の花の色のことです。
枕草子に、
『木のさまにくげなれど楝(アフチ)の花いとおかし。かれがれにさまことに咲きて、必ず五月五日にあふもをかし。』
とあります。
“木の様は不格好ではあるが、栴檀の花はとても趣きがある。枯れそうなように咲いて、必ず五月五日にあうのも面白い。”
とのような・・・。(^-^)
清少納言も同じく、栴檀の花を観賞し、思いを枕草子に書き綴っていたのかと思うと、感慨深い気がします。