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『 こ の 道 』


 

 

童謡の『 この道 』。

この頃、つい口ずさんでしまう歌です。

 

昔、歌った記憶がないのに、なぜか覚えている歌。

好きな歌でもなかったのに、今、よい曲だな~っと、よい詩だなぁ~と思ってしまう・・・。

歳を取ってきたせいかなぁ~。

 

第一生命のCMで、流れていて、つい聞き入ってしまいます。

『 この道 』の作詞が北原白秋さん、作曲が山田耕作さんです。

巨匠の面々です。

  

 

『この道』

作詞 北原白秋

作曲 山田耕作

 

この道は いつか来た道

ああ そうだよ

あかしやの花が咲いてる

 

あの丘は いつか見た丘

ああ そうだよ

ほら 白い時計台だよ

 

この道は いつか来た道

ああ そうだよ

お母さまと馬車で行ったよ

 

あの雲もいつか見た雲

ああ そうだよ 

山査子(さんざし)の枝も垂れてる

 

 

歌に出てくる、アカシヤの花は、ニセアカシヤ、針槐(ハリエンジュ)のことのようです。

針槐の花は、ふさふさの白い色の花で、とてもキレイな花です。

北原白秋さんも、好きな花だったのかなと思うと、もっと歌が身近に感じられてきます。

下の写真は、自宅の近くにある針槐の花です。

5月初め、これでもかと、針槐の花が樹木一杯に咲き乱れます。

 

 

 

 

『この道』の歌を聞いていて、「私のこの道は、どこかな?」と思い出したのが、中学校の坂道。

家から近くだけれど、なかなかで、出向かない道でもあります。

久しぶりに、散歩方々、出かけてみました。

 

坂道の両側には、桜の木があって、春にはキレイな桜の花が咲き、新入生を迎えてくれます。

「懐かしいなぁ~」と思いながら見ていると、この坂道は、何十年も経ているのに、何も変わってはいませんでした。

そして、「この道は、いつか来た道」にぴったりの「この道」でした。

 

『 この道 』の童謡のことを調べていたら、去年2019年に、『 この道 』という映画が、公開されていました。

北原白秋さんと山田耕作さんのお話のようです。

去年、『 この道 』の童謡が、誕生100年だったそうです。

2019年の100年前は1919年で、大正8年に作られた歌なのですね。

EXILE modile に、『 この道 』の映画の公式HPがあります。

そのHPに、「今、この二人が生きていたらどんな歌をつくるのだろう」と、書いてありました。

私も、この二人が、今の時代を感じ、どんな歌をつくるのか、聞いてみたい気持ちになります。

 

少し話がずれますが、今年春からの朝ドラ『 エール 』は、作曲家の古関裕而さんが主人公です。

5月現在は、昭和初期の時代のお話なのですが、生活様式が、とてもモダン、ハイカラなのです。

 

※昭和モダン・・・昭和時代の初めの1930年代に花開いた、和洋折衷の近代市民文化のこと。

           現在では1920年(大正9年)以後の大正ロマンを含む。(Wikipedia参照)

※ハイカラ・・・・・明治時代後期に西洋かかぶれを意味する流行語・俗語として誕生したが、

           後に広く使用される一般的な単語となり、

           広義には第二次世界大戦までの西洋化風潮まで含める。(Wikipedia参照)

 

日本は、他文化を素直に受け入れ、日本の良さと融合したものを洗練させ、豊かなものを育んでゆける能力、感性を持っているような気がします。

第二次世界大戦がなかったら・・・。

「この日本は、どんな文化を育んでいたのだろう。」

朝ドラ「エール」を見ていると、そんな気持ちになってきます。

もっともっと、洗練された感性の中、豊かなものづくりのハーモニーが文化をつくり、とても暮らしやすい都市になっていたのではないかと、世界中の中で一番幸せな国になっていたのではないかと、思ってしまいます。

 

余談ですが、「この道」の映画の公式HP(EXILE modile)の中で、EXILE ATSUSHIさんのコメントがあります。

映画の『 この道 』のなかで、『 この道 』の歌を、ATSUSHIさんが歌われているのですが、

『 この道 』の中の「あぁ そうだよ」というフレーズの「あぁ」は、いろいろな想いの「あぁ」があって、

『すべての“あぁ”に違った感情と想いを入れるのがとても感慨深く、この歌のすばらしさを感じながら歌うことができました』と、ATSUSHIさんがコメントされていました。

「あぁー、そうなんだよね」と思いながら、「あぁ」のすごさを再認識してしまいました。(笑)

私も、いろいろな想いの「あぁ」を、日常何気なく、よく使っているのですよね。(笑)

 

※「あぁ」・・・物事に深く感じたり驚いたりした気持ちを直接表す語。(goo辞書より)

 

 

 

 

 

帰り道、千萱(チガヤ)が、たくさん生えているのを見つけました。

写真だと、草原のようですが、フェンス越しの小さな空き地の一画です。

それでも、一面に広がっている千萱は、とてもキレイでした。

かつては千萱は、茅葺屋根に使われていたようです。

『茅葺屋根が当たり前だった、100年前も、このような風景が、たくさん広がっていたのかなぁ~。』と思いながら、

『北原白秋さんも、「この道」に、千萱が生えていいるのを見ていたのかなぁ~』と思いながらの帰り道でした。(*^-^*)

 

 

 

 


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